人は戦いの中でこそ成長する
30歳を超えてから、私は他人と競争することのない穏やかな生活を送っていました。それは一見、幸せな日常にも思えます。しかし、そんな生活を続けていると、仕事に対するモチベーションの低下や、「なんとなく日々を過ごしているだけ」という感覚が心の中に広がり、やりがいのない生活に思えることもありました。
そんな時に出会ったのが、『ブルーロック』です。この作品を通じて、「人は戦い(挑戦)の中でこそ成長する」ということを改めて実感することができました。
エゴが足りないときに読む本:ブルーロック
日本のサッカーの組織力は世界一だ。他人を思いやる国民性の賜物といえる。
でも、それ以外は間違いなく二流だ。
(1巻-絵心甚八)
『ブルーロック』はサッカーを題材にしながらも、スポーツの枠を超えて「個の力」を徹底的に追求する物語です。普通のサッカー漫画とは一線を画し、自己中心的であること、つまり「エゴ」を突き詰めることで、他者を圧倒し、成功を掴み取る姿が描かれています。
私は、「仕事や勉強のモチベーションを補充したい」と感じたときに、ブルーロックを読みます。 本作品の特に序盤の絵心甚八のエゴ論には、仕事や自己啓発に通ずるものが多くあり、多くを学ぶことができます。 今回は、『ブルーロック』の1〜5巻から私が感じたサラリーマンの成長論についてまとめていきます。
サラリーマンよ。エゴくあれ
パスを出せば確実に1点が奪える場面、全国民の期待、優勝のかかったそんな局面で迷わず打ち抜ける、そんなイカれた人間だけこの先へ進め(1巻-絵心甚八)
基本的に日本人の大多数の人は、この状況でパスを出す人かなと思います。今の私も迷わずパスをだします。
しかし、今まで経験してきたプロジェクトやチームの中に必ず一人くらいは、、迷わず決断し、結果を出していく人がいました。そうした人たちは、プロジェクトでも常にエースとして活躍していましたし、自分のやりたいことをどんどん進めつつ、上司を立てることも忘れない器用さも持ち合わせており、結果的に評価も上がり続けていく――まさに「エゴいサラリーマン」、つまりエゴリーマンだったのかもしれません。
成長のためのエゴ
点を取ったやつが一番偉いんだよ。仲良し絆ごっこしたいなら帰れ
世界一のエゴイストでなければ、世界一のストライカーにはなれない
(1巻-絵心甚八)
日本の職場は、協調性や思いやりが求められます。しかし、自己成長のためのエゴは決して悪いことではありません。むしろ、自分に厳しくするためのエゴであれば大いに必要なものです。自分自身の成長を意識し、ストイックに「なりたい自分」に向かうためのエゴ。それが、成長の鍵なのです。
エゴリーマンよ。武器を持て
職場や生活の中で何かを成し遂げるためには、他者を圧倒する「武器」が必要です。その武器は、自分だけが持つ圧倒的な強み、スキル、経験かもしれません。 まずは、自分の武器ーーつまり、強みを見つけることが重要です。
1を生む力
だからこそ必要なのは1を生む力。圧倒的な個性・才能なんだと思うんだ(2巻-潔世一)
自分のエゴを通すにあたり、必要になってくる力が0から1を生み出す力です。仕事でも、すでにあるものに対して追加・変更を加えるよりも、何もないところから何かを生み出すほうが頭も使うし、勇気も必要なことが多いです。
自分の強みとして、1を生み出すことができる領域を持っておくと大きな強みになるはずです。
才能という言葉で、先天的な能力をイメージしがちですが、1を生み出す力は、自分自身の力で生み出すものであり、自分の力を信じて行動した結果得ることができるものなのです。
才能を突出させる
突出させろ。才能という熱い原石は磨かなければ自己満足のゴミと化す(3巻-絵心甚八)
サラリーマン生活において、自分の武器をみつけた人っていうのは、得てして強い(優秀な)ものです。しかし、その武器を磨き続けている人がどれだけいるでしょうか?意外と多くないかもしれません。
努力し続けるというのは、とってもしんどいことですが、現状に満足せず、自分の武器を磨き続けることで、新たな武器を見つけるきっかけになることもあるのです。
成功の方程式
再現性のある成功(ゴール)の先にしか進化はないと思い知れ
たまたま勝つな。勝つべくして勝ち奪れ
(4巻-絵心甚八)
成功は偶然ではなく、必然的に生み出すものです。一度の成功で満足するのではなく、自分の経験や知識を積み重ね、再現性を高めていく必要があります。つまり、成功を何度でも繰り返せる「方程式」を自分の中に作り上げることが重要なのです。繰り返し訪れる成功が真の成長をもたらし、新たなステージへと進むための鍵となるのです。
覚醒する(コンフォートゾーンを抜ける)
死線を超えるために、ストライカーは進化を余儀なくされる
いいか?覚醒とは、思考と経験の蓄積の上に起こる『学習(パズル)』だ
(4巻-絵心甚八)
普通に生活していて、死線を超えなければいけないような場面に出くわすことはないでしょう。しかし、現代には、覚醒するためのフレームワークが準備されています。それが、「コンフォートゾーンを抜ける」ってやつです。
自分の快適な状態から抜け出して、思考や経験を積み重ねてきた者だけが、限界を超えて新たな自分へと進化することができます。それは、困難に直面した時にこそ現れるものであり、恐れずにチャレンジする姿勢こそが覚醒への道を切り開くのです。
ハングリーであれ
その飢餓(ハングリー)が世界を変えるエゴになる(5巻-絵心甚八)
自分の中にある欲求や目標を忘れずに、それに対する飢えを持ち続けることが、成長を続けるためのエネルギーとなります。ハングリー精神を忘れず、自分のエゴを突き詰めていくことで、私たちは自己の成長を実現できるのです。
まとめ
ざっくりまとめてしまうと、 ・自分の強みを知り ・強みを磨き ・新たな挑戦をせよ といった内容ではあるのですが、漫画から学ぶメリットは、熱いストーリーとともにモチベーションも一気に上げてくれるところだと思います。
5巻以降もまだまだ熱い成長論が繰り広げられますので、別途まとめたいと思います。