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ブルーロックから学ぶサラリーマンの成長論:アドリブ編

さて、今回はブルーロックからアドリブについて学んでいきましょう!

※本稿では、ストーリーについて触れております。ネタバレが嫌な人はブラウザバックお願いします。

[2024/12/30 追記]
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おさらい

U-20日本代表戦に臨むブルーロックス

初動でU-20日本代表の鉄壁の守備4傑によって、ブルーロックスの攻撃が阻まれます。

そして、カウンターから糸師冴にゴールを奪われます。

合宿で練習してきた戦術が通用しなかったことに、絵心甚八は「練習は練習だよ」と語っています。

練習と本番の決定的な違い

練習と「本番」の決定的な違いは

「負荷(ストレス)」の有無だ

14巻-絵心甚八

サラリーマン生活において練習と本番でストレスの違いを感じる場面としては、プレゼンがぱっと思いつきます。

練習ではうまくいくのに、いざ本番になると頭の中が真っ白になり、練習の時はうまくできていたものが本番ではうまくいかない。なんてことはよくある話です。

また、プレッシャー下に置かれるという点では、大切なMTGや面接なども同様だと思いました。

普段のチーム内MTGでは上手にファシリテートしたり、自分の経験を流暢に話すことができるのに、プレッシャーのかかる場面、例えば会社の重役が参加するMTGだったり、自分の今後に関わってくる転職時の面接だったりすると上手に話せなくなってしまうこともあります。

心理学の分野では、こういった「ストレス」や「プレッシャー」が人間のパフォーマンスに与える影響を説明する理論がいくつかあり、その中の有名なもののひとつにヤーキーズ・ドッドソンの法則というものがあるそうです。

ヤーキーズ・ドッドソンの法則

ヤーキーズ・ドッドソンの法則は、人間のパフォーマンスと覚醒レベル(ストレスやプレッシャーの強さ)の関係を示す心理学的な理論です。この法則は、覚醒が低すぎても高すぎてもパフォーマンスが低下し、適度な覚醒レベル(最適覚醒)で最大のパフォーマンスが発揮されることを示しています。

  1. 横軸(Arousal Level): 覚醒レベルを示します。これは、リラックスしている状態(低覚醒)からストレスを感じている状態(高覚醒)までの範囲を表しています。
  2. 縦軸(Performance): パフォーマンスの高さを示します。
  3. 曲線の形状:
    • 覚醒レベルが低いと(左側)、人は集中力に欠けたり、やる気が不足しているため、パフォーマンスが低くなります(Under-arousal)。
    • 覚醒レベルが適度である場合(中央)、人は集中力とモチベーションが高まり、パフォーマンスがピークに達します(Optimal Arousal)。
    • 覚醒レベルが高すぎると(右側)、過度の緊張やプレッシャーにより、パフォーマンスが低下します(Over-arousal)。
  4. 赤い縦線(Optimal Arousal): 最適覚醒点を示します。このポイントで最大のパフォーマンスが発揮されます。
  5. 青とオレンジのエリア:
    • 青いエリア: 覚醒が低すぎる場合に起こる「低覚醒ゾーン」。
    • オレンジのエリア: 覚醒が高すぎる場合に起こる「過覚醒ゾーン」。

ストレスやプレッシャーが大きすぎるとパフォーマンスが発揮できないのは何となく想像しやすいのですが、逆に全くプレッシャーがない場合においては集中力がかけたりモチベーションが上がらない。といった点にも注意が必要ですね。

本番のストレスを打ち破るのはアドリブ

「本番」ってのは負のスパイラルに陥る要素であふれている

練習通りになんかいくワケないんだ

そんな負荷を打ち破る情報はただひとつ—-

『即興(アドリブ)』だ

14巻-絵心甚八

絵心甚八が「うちのエゴイスト共は『本番』に強いよ」と語るように、その後ブルーロックスは糸師凛のアドリブを起点にゴールを奪うことに成功します。

また、ブルーロックスはここまでの選考で”即興”力を身に着けてきた。とも語っています。

では、”即興”力を身に着けるためには何が必要なのでしょうか?

アドリブに必要な思考

絵心甚八は、

予定していた作戦が通用になかった時

凡人はパニックになり

失敗の原因を探して安心し

その修正に時間を費やす

これを敗者の思考としたうえで、「即興」に必要な思考について以下のように語っています。

勝者は”挑戦”をきりかえる

予定していた作戦が失敗しようとも、思い通りの道筋じゃなくても

目的を見失わなければその状況は新たな挑戦になる

14巻-絵心甚八

何かゴールに向かうとき、必ずと言っていいほど想定外の出来事は起こります。

私自身、開発案件のマネジメントをしていますが、プロジェクトが大きければ大きいほど想定外のことが多く発生しますし、プロジェクトに与える影響も大きかったりします。

また、もう少し粒度が細かくなったプログラミングでも同様の事象が起きます。

設計時にはそれでよいと思い設計をしていたものの、いざ開発をしてみると新たに考慮しなければいけないものに気が付いたり、仕様が変更され続けた結果、最後には初期の設計とだいぶ違うものになっていることもよくあります。

ここで絵心の言葉を振り返ります。

プログラミングの例でいうと、プログラミングをする目的は設計書通りに作ることがゴールではないです。

プロジェクトマネジメントにおいても、スケジュールを調整したり、タスクを組み替えたり、作りを変えたりしながら最終的に目的のシステムを作り上げます。
※ビジネスにおいてはさらに広い概念でシステム化というのは目的ではなく手段だったりしますがここではその話は割愛します

即興=課題解決なのかもしれない

ここまでまとめていて、ブルーロックの文脈におけるアドリブは課題解決によく似ていると感じました。

どちらも不確実性への対応が必要ですし、解決に向けた創造性と柔軟性(ブルーロックでいうところの挑戦を切り替えること)、さらにそれを実行する意思決定など問題にぶち当たったときに目的を達成するために創意工夫しながら前に進んでいく点でとてもよく似ています。

先ほどのプログラミングでは、人によって問題に直面した時の対応が異なります。

仕事ができるなと感じる人は、私に相談しに来る時にはすでにいくつかの解決方法を考えており、その対応の中だとどれがよいか?という相談の形をとってくれる人がほとんどです。

しかし、あまり仕事が上手でない人からは決まって「どうすればいいですか?」です。
こういった場合は、私のアドリブ力が試されるのですが、解決方法をいくつか考え最終的な意思決定まで私が行います。

仕事の形としてどちらが良いかはそれぞれだと思うのですが、私が一緒に仕事をしたいのも、成果を確実にあげていくもの圧倒的に前者です。

絵心甚八が、
「青い監獄(ブルーロック)に指示待ち凡人はいらない。欲しいのは自分の挑戦を自分でみつけられるエゴイストだ」
と語っている部分はまさに仕事にも通ずるものがあるなと感じました。

本番に慣れる

さて、ブルーロックでは、新たな挑戦を見つけて自分を成長させていくことに焦点を置いていますが、プレッシャーがかかる場面に慣れていくことで普段通りのパフォーマンスを発揮できるようになっていく。という考え方もあると思います。

今では当たり前のようにスーパーサイヤ人になり、ゴッドとかブルーとかブルー界王拳やら身勝手の極意やらになっている孫悟空ですが、セル戦では自然な状態でスーパーサイヤ人でいられるようにするためにスーパーサイヤ人の状態で日常生活を過ごし続けました。

その結果、いざセル戦が始まる時には、この世のおしまいだ~で有名なベジータも、「・・・ごく自然にあの状態でいやがる・・・・・・」と驚きを隠せない様子でした。

このように、プレッシャーのかかるような特別な状態をあたりまえの状態にすることで普段通りの力を発揮できるようにする。というのも解決方法の一つです。

  • 何度も経験することで場慣れする
  • 経験値からくる自信
  • メンタルのコントロール

など方法はいくつか考えられますが、この状態に持っていくためにも自身の成長は不可欠になってきます。

また、フリーザと戦うためナメック星に向かっていた悟空は、宇宙船の中で地球の100倍の重力下で修行していました。

その結果、ナメック星についた悟空はギニュー特戦隊を圧倒します。

このように、本番以上の負荷をかけ続けることにより、本番のほうがむしろ楽。という状況を作ることも方法論としてはあげることができるでしょう。
ただし、しんどいので私はできればやりたくないです。
※メンタルにも負荷がかかりますしね

まとめ

今回も多くのことを学ぶことができました。

スポーツの試合にしろ、仕事にしろ、不確実性と向き合って最前線で戦い続けることは自分の成長にとってもとても良いことだと思います。

初めて問題に直面したときには、即興で何とかしたとしてもそれは後々自分の引き出しになっていき、できることの幅も広がっていくと思います。

気力が充実しているときには、最前線に立ち続けて自分の幅を広げていきましょう。